株式会社イトーヨーカ堂
人事総務室 採用教育部 マネジャー 倉持 裕美 様
1999年入社。婦人肌着売場担当、売場担当マネジャーを経て本社に異動し、全店の婦人肌着担当商品の在庫管理や情報発信などを担う。その後はマーチャンダイザーとして婦人肌着や紳士・婦人パジャマ、手芸用品、手帳・カレンダーなどの商品開発に従事。続いてトレーナー部にて接客教育や新人教育を担当。2023年より新卒採用のマネジメントを行う。
(所属・内容は取材当時のものです)
まずは改めて、貴社の事業内容や特徴についてご紹介いただけますか。
イトーヨーカ堂は衣食住に関わる商品を扱う総合スーパーを運営しています。コロナ禍以後はお客様のニーズに応え、フード&ドラッグ事業を軸とした食料品と生活必需品を強化しています。当社ならではの強みとしては、セブン&アイ・ホールディングスのプライベートブランドであるセブンプレミアムが挙げられます。セブンプレミアムはブランド商品に劣らない品質にこだわっており、グループのどのスーパー、コンビニでも同じ価格・品質で提供していることが特長。セブンプレミアムの総売上は年間1兆円を超えます。
貴社ではかなり長期にわたって採用管理システム『i-web』をご利用になっています。
はい。私が採用に携わるずっと以前から使用しているため、導入の経緯についてはわからない部分もあるのですが、紙の書類とExcelをベースとした採用管理にかかる作業を効率化するために導入したと聞いています。当社は毎年100名以上の学生を採用しており、応募者も相当数にのぼります。それに対して現在の採用チームは、マネジャーである私を含め3名という少人数。『i-web』なしで応募者情報を管理することは考えられません。
現在、『i-web』をどのように活用いただいていますか?
応募者のイベント参加や選考の履歴を管理したり、面接官アサインや結果の集約など、面接における事務作業を効率化するために利用しています。まず応募者管理については、1,000名以上の応募者の情報を一元管理できるようになったことで、業務効率化はもちろん、応募者一人ひとりのステータスに合わせた適切なアプローチができるようになりました。面接業務では30~40名の面接官へ、『i-web』を通じて応募者の情報や前ステップでの評価を連携しています。かつては面接工程表や履歴書を紙で印刷して配布していましたが、『i-web』では「どの面接官が何時からどの学生と面接をするか」をシステム上で簡単に共有できます。さらに、面接の評価内容もオンラインで入力・集約が可能に。昔は面接官の字が読みにくくて困ったこともあったそうですが(笑)、もちろんそういうこともありません。
面接にまつわる機能は、人事以外の面接官にとってもメリットがありそうですね。
その通りです。当社の面接官は外出などで本社にいないことも多いのですが、面接スケジュールが急遽変更になった際などにも、オンラインで簡単に情報共有できるので便利です。さらに、学生への合格通知も『i-web』でできるので、これも採用人数が多い当社にとっては大いに時間短縮につながっています。
個人的に、特に便利だと感じられている機能があれば教えてください。
一つの画面で各応募者の履歴書、適性検査の結果、面接官の評定表などを紐づいたかたちで閲覧したり、CSVファイルで出力できるのが便利だと思います。私自身も内定者の配属決めを行う前に応募者の情報を改めて確認するのですが、内定者面談の際に自分が書いたコメントなどを見ると「そういえばこの応募者とは、面談のときにこんなことを話したな」といった記憶が鮮明によみがえります。また、他社の採用ご担当者のお話を聞くと、人事以外の面接官はどうしても業務で忙しく、面接後の情報共有が滞るケースもあるそうですが、当社では『i-web』で評価情報を共有し、「原則として、面接当日中に評価を入力してください」とお願いしています。面接官の方々もこのルールを守ってくれるので、運営がとてもスムーズです。
応募者の人数が多いだけに、面接にまつわる機能を特に重視されているという印象です。
面接といえば、『i-web』とZoomを連携してオンライン面接ができる機能も便利ですね。実を言うと、最初のころはこの機能を知らなくて、ZoomのURLを別途発行し、応募者にメッセージを送っていたのです。するとヒューマネージ社の担当者から「『i-web』を操作するだけでZoom URLを生成し、応募者に共有できる機能がありますよ」と教えていただけました。それ以来オンライン面接のたびにかかっていた手間がなくなり、本当に助かりました。
担当者からのサポートについてはいかがですか?
ヒューマネージの担当者は、困ったことを相談すればどんなことでも解決に導いてくれる心強い存在です。私もまだまだ『i-web』の機能を知り尽くしているわけではないので、いつも担当者からアドバイスをもらいながら業務効率化を図っているところです。
『i-web』を導入したことによる作業工数の削減や、応募数の増加といった効果はどの程度実感されていますか?
『i-web』を導入したのがかなり以前のことであり、各作業工数を算出しているわけではないのですが、例えば先ほど話したZoom連携機能を使うだけで、オンライン面接の作業工数は約30%減りました。応募者管理を紙+Excelから『i-web』に切り替えたインパクトは、それどころではないでしょう。応募者とのやり取りを『i-web』で一元化できることも非常に便利で、メールと比べると工数は大幅に減っています。『i-web』では応募者のグルーピングもきめ細かくできるので、例えば「特定の期間にエントリーした方」などに向けてメッセージを一斉送信できます。メールのように誤送信の心配がないので、リスク軽減の効果もありますよね。『i-web』さえあれば、今後応募者数がさらに増えたとしても、少数の採用チームで運営していけると思えます。
採用施策の改善に関してはいかがでしょうか?
最近機能がバージョンアップされBI機能が役立っていると感じます。これは『i-web』上の採用関連データを簡単に分析できるツールです。例えば日々のデータを見て、選考中の離脱率や不合格率が高まっているとわかれば、次年度の選考フローを修正するなどテコ入れをしています。また、過去数年の応募者数、選考段階ごとの人数などを分析することで、「どんな施策を実施すれば応募者数を増やし、離脱者を減らせるのか」という目安がわかります。例えば以前は応募者に3分程度の面接動画を撮影してもらい、それを見て選考を行うフローがあったのですが、この施策を行った年の一次面接の受検者数は顕著に低くなっていました。2024シーズンで録画面接をやめた結果、一次面接の受検者数は大きく伸び、予定通りの内定者数を確保することができました。
一次面接の受検者数が大きく伸びるというのは、インパクトのある効果ですね!最後に、今後『i-web』をどのように活用し、どのような採用を実現していきたいか、お話しください。
BI機能はまだ使い始めたばかりなので、今後はより細かいデータ分析を行い、採用戦略の改善につなげていきたいと思います。当社は「小売業は変化対応業である」というメッセージを掲げて採用活動を展開していますが、私たち採用チームもまさに世の中の変化や学生のニーズをとらえる「変化対応業」でなくてはなりません。引き続きヒューマネージ社の担当者から『i-web』活用術を教わり、効率化と採用成果に結びつけていきたいです。