株式会社丹青社
人事部 人事企画課 志村 泰典 様
2009年、新卒入社。文化施設の営業職、新規事業開発の経験を経て、2023年より現職。新卒・既卒採用(ポテンシャル採用)の中でも主に広報活動を中心とした採用戦略を手掛ける。
(所属・内容は取材当時のものです)
まずは改めて、貴社の事業についてご紹介いただけますか。
当社は1946年創業の総合ディスプレイ会社です。一般的なディスプレイ業界では対象の空間ジャンルを限定することが多いのですが、当社は店舗などの商業空間、博物館などの文化空間、展示会などのイベント空間まで多彩な空間を手掛けていることが強みです。
採用管理システム『i-web』を導入した経緯を教えていただけますか。
当時私は別の部署にいたのですが、採用業務の効率化が主な導入目的と聞いています。導入前は紙のエントリーシートを郵送してもらって審査し、その後の面接などに必要な資料もすべて紙に印刷して使用していたそうです。そうした作業にかかる工数を削減するために、応募者の情報をシステム上で一元管理できる『i-web』を選んだということでした。
現在、『i-web』のどのような機能を主に活用し、どのようなメリットを実感されていますか?
実は当社は昨シーズンから採用戦略を転換しました。自社の採用サイトからの応募を軸としたミニマルな採用を見直し、複数の就職情報サイトやイベントを駆使した積極的な採用を行っています。『i-web』では複数の就職情報サイトと連携し、それぞれのサイトから集まる学生をスムースに一元管理できるので、その点は非常に助かっていますね。学生からのエントリーシートの提出、面接の予約などもすべて『i-web』で行っており、紙の資料を使っていた時代と比べると、格段に作業効率が向上しています。
応募者の増加や歩留まり率の改善などの効果はありましたか?
それまで使っていなかった就職情報サイトを活用した効果もあり、昨シーズン比でプレエントリー数はかなり増え、1ヶ月ほど前倒しで目標数を達成することができました。そこで課題となったのは、質の高い応募者を見極めることです。ここにも『i-web』の機能が役立ちました。
質の高い応募者の見極めに、『i-web』をどう活用されたのですか?
これまで営業職のエントリー数がコントロールできていなかったため、動画選考のプロセスを追加することにしました。『i-web』のマイページ経由で簡単に動画をアップロードできるおかげで、非常にスムースに施策の実行と選考を行えました。自己紹介動画を送ってもらうというシンプルな内容でしたが、一定のハードルを設けることでより意欲の高い応募者を集めるとともに、エントリーシートだけでは見えない人となりまで観察することができ、一石二鳥でした。
貴社では営業職を含む主に5つの職種別採用を実施されています。その中で、『i-web』が役に立ったことがあれば教えてください。
例えばデザイナー職の場合はポートフォリオや実技試験の成果物を提出していただいており、こうしたデータのやりとりも『i-web』を介して行っています。職種ごとに応募者に求める情報やデータは異なるのですが、『i-web』ではそのすべてにスムースに対応することができています。
具体的にはどのような機能が便利だと感じられますか?
例えば最近、エントリーシートの形式をアップデートしたのですが、『i-web』なら簡単な操作で思い通りのエントリーフォームを作成することができます。また、面接の際に面接官が閲覧しやすいように必要な情報を自動的に抽出し、PDFとして連携することも可能です。一部の面接ではオンライン面接も実施している中で、こうした機能もスムースな選考につながっています。
貴社ではCMS機能を使い、マイページ内に限定した情報発信に注力されています。マイページ戦略の位置づけや、CMS機能に関する所感をお聞かせください。
マイページでは、会社説明会やワークショップ等の開催レポートや動画のアーカイブを公開しています。CMS機能ならWebデザインの知識がなくても簡単に見やすいコンテンツを作成できるので、タイムリーに開催レポートを公開することができます。マイページコンテンツの狙いとしては、母集団となった方の質を高めていくことが主目的であると考えています。一般的に、早くマイページへ登録してくださった方ほど当社の情報に触れる機会が多く、理解度が高まっていく傾向があるものです。しかし、実際に最終面接まで残った応募者を分析してみると、締め切り直前にマイページに登録された方も珍しくないことがわかりました。マイページにコンテンツを蓄積していくことで、マイページの登録タイミングが遅かった方にも公平に情報を提供できていることが、マッチングを高める上で役立っていると考えています。ありがたいことに面接でお会いした応募者から動画の感想をお聞きすることもよくありますね。
イベントの集客にもCMSを活用されているのですか?
もちろんです。会社説明会や職種別ワークショップなどのイベントも昨年から積極的に実施するようになったのですが、マイページコンテンツを通じた集客やアーカイブ動画の配信を行ったおかげで、成果を引き出すことができたと考えています。職種によっては、ワークショップ参加者の約半数が内定に結びついたものもありました。また、採用広報やイベントを拡大した結果、昨シーズンと比べて当社にマッチする応募者の数が増え、2025シーズンの内定者は想定以上に内定を出すことができ、昨シーズン比で約30%も増えました。新しい採用戦略を成功させる上で、『i-web』の果たした役割は大きいと思います。
今後、『i-web』をどのように活用していきたいとお考えでしょうか。
『i-web』に搭載されたBI機能では、これまで以上に緻密なデータ分析が簡単にできるようになると聞いており、今後は積極的に活用してみたいと考えています。当社では昨年から採用チーム内でマーケティング・広報業務と選考業務を分業化することで、採用マーケティングを強化する体制を整えました。現在もすでに、応募者のイベント参加状況やマイページ内のコンテンツ閲覧などを分析して応募者の熱量を可視化し、丹青社ファンの醸成を図っているのですが、こうした分析をさらに強化していきたいところです。直近で実現したい施策の一例としては、各イベントに参加された方のその後の動向を分析することで、イベントの正確な効果測定とそれに基づくブラッシュアップができればとも考えています。
最後に、これからの『i-web』に期待していることがありましたら、ぜひお聞かせください。
BI機能のほか、『i-web』に搭載されたスコアリング機能では応募者の自社に対する関心をスコア化できるようになりました。先ほど申し上げた通り、応募者の熱量の可視化は今まさに私たちが最も重視している採用戦略の一つです。しかし、人力での分析にはどうしても限界があり、高い熱意を持っている応募者の存在にこちらが気づかず、機会損失をしていたこともあると思います。こうした機会ロスを防ぎ、より質の高い採用を実現していくことが、我々採用マーケティング・広報担当者のミッションであり、それを実現するためにも、BI機能やスコアリング機能を活用していきたいと考えています。