伊藤忠都市開発株式会社
人事総務部 人事総務課 加藤 麗子 様
2021年に新卒で入社。新卒採用、研修、労務、社宅関連業務などを幅広く担当。現在は新卒採用のメイン担当者として、採用戦略の立案から運営まで推進するとともに、人事諸業務に従事する。
(所属・内容は取材当時のものです)
まずは改めて、貴社の事業についてご紹介いただけますか。
当社は伊藤忠グループの総合不動産デベロッパーとして、分譲マンションを中心にホテル、オフィス、物流施設など幅広い不動産の開発を行っています。デベロッパー業界における当社の強みは、商品企画力にあると考えています。とりわけ創造性あふれる分譲マンション「CREVIA(クレヴィア)」の企画力は業界内でも高く評価いただいています。
貴社では2024シーズンから採用管理システム『i-web』をご利用になっています。導入の背景について教えてください。
当社はもともと一つの就職情報サイトだけに広告を掲載して採用活動を展開していましたが、年々、母集団が減少しつつあることが課題となっていました。これ以上母集団が減れば、人材の質・量ともに担保することが難しくなると判断し、複数の就職情報サイトを利用することが決まったのです。ところが、当時使っていた採用管理システムには複数の就職情報サイトとシームレスに情報を連動する機能がありませんでした。そこで新しい採用管理システムを検討したわけです。
『i-web』を選定した理由は何でしたか?
まずはリクナビなど主要な就職情報サイトとシームレスに連動し、応募者の情報をシステム上で一元管理できるところに着目しました。さらに『i-web』には採用活動を効率化するためのさまざまな機能があり、少人数で採用を運用している当社にとってメリットが大きいと感じました。現在は応募者の情報管理をはじめ、面接の日程調整など面接に必要なさまざまな情報の管理、イベントの募集や申し込み受付、マイページを通じたコンテンツの配信、採用状況の分析に至るまで、採用活動のあらゆる工程に『i-web』を活用しています。
『i-web』を利用することでどのようなメリットがあったか、具体的に教えていただけますか。
工数削減という点で最も即効性があったのは、面接管理の機能です。以前は面接のたびに用意する書類がたくさんあり、かなりの手間がかかっていました。具体的には、面接日程を管理するためのExcelシートや、学生のエントリーシートをPDF化したものなどです。これらのファイルを社内フォルダに格納して整理し、パスワードをかけて面接官に送信するということを、面接のたびに繰り返していたわけです。一方、『i-web』では面接の日程調整やエントリーシートなどをすべてシステム上で管理し、面接官がシステムにログインするだけで自動的に必要な情報を閲覧できます。さらに面接官による評価もシステム上で入力できるため、評価の回収や集計も非常に簡単です。面接準備に関する雑務はほぼゼロになったといっても過言ではありません。
『i-web』を導入したことによる工数の削減効果は、どの程度ありましたか?
『i-web』は個々の機能が充実しているだけでなく、直観的に操作できるわかりやすさも魅力だと思います。全体の作業工数は、おそらく4割程度は削減されているでしょう。その分、採用戦略を練る時間を増やすことができ、会社説明会等のイベントの数は導入前のおよそ2倍に増えました。
すばらしい成果ですね。貴社では採用関連データを分析・可視化するBI機能もご利用になっています。こちらの所感はいかがですか。
BI機能では、主にイベントの効果分析を行っています。『i-web』導入前はイベントの効果を参加者数以外の数値で測定することが難しく、どのイベントがその後の選考プロセスや内定につながっているのかが正確にわかりませんでした。もちろん、自力で各種データを使って計算することは可能でしたが、分析の専門家ではないのでどうしてもミスが出てしまうし、時間も無駄にかかってしまう。その点BI機能は、採用管理システムに蓄積された情報を活用して、分析に必要な数値の抽出から分析結果の可視化までをワンクリックで実施できるので、分析にかかる工数の削減と精度向上を同時に実現できました。
分析にかかる工数はどの程度削減されましたか?
当社ではオプションサービスである「RPO(採用プロセスアウトソーシング)」も利用し、BI機能の表やグラフの作成を代行していただいています。おかげで以前は1週間近くかかっていたデータの整理や加工などの作業が1日で終わるようになり、以前に比べてデータの考察や次シーズンに向けた施策検討に時間を使えるようになりました。
BI機能でイベントの効果分析を実施した結果、採用の質に変化はありましたか?
イベントの分析・ブラッシュアップ以外にも、複数の就職情報サイトへの掲載を始めたことや、イベント自体の数を増やしたことなど、『i-web』を導入したことで実現できた変化はたくさんあります。そうした変化全体の成果だと思いますが、直近の2025シーズンの採用では最終面接官を務めた当社代表から「今年の最終面接参加者と内定者は、過去最高にレベルが高かった」という発言があり、面接の評価点数も過去最高の水準でした。
先ほども少しお話に出てきましたが、貴社ではRPOサービスもご利用になっています。RPOサービスで利用している具体的なサービスの内容について教えてください。
RPOサービスでは採用フローのシステム設計から学生への事務的なメール送信まで幅広く代行していただいています。ヒューマネージ社の担当者は非常に対応が早く、積極的により良い設定方法をアドバイスしてくださるので、「隣の席に『i-web』の専門家がいてサポートしてくれている」というイメージですね。
貴社ではマイページコンテンツの配信も積極的に行われていますね。
はい、マイページを通じた情報発信はこまめに行っています。採用サイトは誰でも閲覧できるため発信できる情報が限られてしまいますが、マイページ登録者のみ閲覧できるマイページなら社内の実情をより率直に紹介できます。採用担当ブログでは私の日常業務や採用イベントをはじめ、社員の雰囲気を感じられる記事をアップすることで、当社に親しみを感じていただけることを目指しています。また、私以外の社員からの声を届けるために動画コンテンツもアップしています。
動画コンテンツの内容はどのようなものですか?
現在は6本の動画を用意し、CMS機能を使って動画の一覧ページを作成し、順次配信しています。若手社員の座談会、若手社員の働き方紹介、不動産開発担当者のプロジェクトストーリーなどが続き、最後に社長インタビューが登場するという流れです。社長インタビューは、社長自らが面接をおこなう最終面接の直前に公開することで、応募者の皆さんに心の準備をしていただいています。
『i-web』の基本機能はもちろん、BI機能やCMS機能といった多彩なサービスをフル活用し、理想の採用に取り組まれていることがよくわかりました。最後に、今後の貴社の採用戦略のさらなる進化に向け、『i-web』をどのように活用していきたいか、お聞かせいただけますか。
まず、CMS機能を使ったコンテンツの配信を強化していきたいと思っています。CMS機能を使えば、採用担当者が簡単にページをつくることができるので、社員の日常風景を写真付きで配信するなどして、これまで以上に学生の皆さんに当社を理解していただけるようなマイページにしていきたいですね。また、当社も『i-web』を利用してから3年目に入り、かなりたくさんのデータが蓄積されてきました。このデータを活かしBI機能による分析をさらに強化し、今の学生のニーズに即した採用施策を追求していきたいです。