東京電力ホールディングス株式会社
稼ぐ力創造ユニット 組織・労務人事室 人財・組織開発センター 採用グループ 川口 正進 様
2015年、新卒入社。技術者として原子力発電所の工事や設計に従事したのち、2022年より現職。技術職の新卒採用を担当する。
(所属・内容は取材当時のものです)
貴社では約10年前から採用管理システム『i-web』を導入されていますが、その経緯についてお聞かせください。
私が人事に異動してくるよりも前のことになりますが、採用業務の効率化を図るために『i-web』を導入したと聞いています。私が就職活動をしていた頃は、エントリーシートもすべて紙で提出していましたので、システムによる応募者の一括管理はありませんでした。現在、当社では年間数百名の採用を行っていますが、紙ベースでの管理は非常に負担が大きかったと思います。
現在はどのように『i-web』を活用されていますか? 特に業務効率化や採用の質向上に役立っている機能があれば教えてください。
特定の機能というよりも、『i-web』なしでは採用業務が成り立たない、というのが実感です。エントリー受付から内定まで、すべてのプロセスを一貫して『i-web』上で管理しています。履歴書やエントリーシートはシステムで一元管理され、面接時には画面上でそれらの情報を確認できるので、紙の書類を扱う必要がほとんどなくなりました。これにより、コスト削減の効果も非常に大きいです。さらに、セミナーやインターンシップの参加情報もシステム上で管理され、条件に応じてCSVファイルとして簡単に出力できる点が非常に便利です。これをもとに、応募者の動向を分析し、次シーズンのイベント企画に活かしています。
2025シーズンからはSMS配信機能を導入されたとのことですが、その背景を教えてください。
最近の学生は、多くの企業からメールを受け取っているため、メールに目を通してもらうのが難しくなっています。また、電話に出ない方も増えています。そこで、重要な連絡事項を確実に伝えるために、スマホの画面にポップアップ表示されるショートメッセージが有効だと考え、導入しました。
具体的にどのような連絡事項をSMSで発信していますか?
例えば、インターンシップ参加時には食物アレルギーの確認が必要ですが、これに回答がないと対応できないことがあります。また、原子力発電所などの特殊な設備を見学する際には、事前に提出すべき書類があり、提出が遅れると参加できなくなる場合があります。内定後にも提出が必要な書類や情報がいくつかありますが、これらの未提出者に対してSMSを使ってリマインドを行っています。
他にSMS配信機能を活用している場面はありますか?
特に重要なインターンシップや会社説明会などのイベント参加を促す際に、締め切り前にショートメッセージで通知しています。ただ、実際には、事務手続きに関するリマインドがメインの使い方になっています。
SMS配信機能の導入後、どのような変化がありましたか?
SMSを送った応募者の大半が反応してくれるようになり、書類の未提出による参加不可といった事態はほぼ防げるようになりました。また、内々定の応諾期限が迫っているにもかかわらず、メールや電話に反応がなかった学生も、SMSを送ることで返答してくれるケースが増えました。
貴社ではCMS機能を活用したコンテンツ制作に注力されていると伺いました。具体的にはどのようなコンテンツを展開されていますか?
当社は採用サイトとは別に、プレエントリー者限定で閲覧できるマイページを公開しており、そこで提供する各種コンテンツはCMS機能を使って自社で制作しています。セミナーやインターンシップの告知・受付が主な内容ですが、技術職のリクルーターが更新するブログも人気です。社員の日常や会社内の出来事を紹介し、電力会社の堅苦しいイメージを払拭するような内容を目指しています。福利厚生の充実や働きやすい職場環境についても発信しており、ブログを通じてその雰囲気が少しでも伝わればと考えています。おかげさまで多くの方にご覧いただいています。
採用サイトとマイページのコンテンツはどのように使い分けられていますか?
採用サイトでは主に会社のミッションや理念を伝えることに注力していますが、マイページでは社員の雰囲気や職場環境を中心に紹介しています。また、事業や職種の紹介はどちらにもありますが、採用サイトではあまり詳細には触れず、マイページでは興味を持っている方に向けて動画などを使いながら丁寧に説明しています。内定者アンケートでも、これらのコンテンツが入社後のキャリアを考える上で役立ったという声が寄せられています。
CMS機能を最大限に活用してコンテンツ戦略を進めていらっしゃるのですね。他に『i-web』のメリットとして感じている点はありますか?
営業担当者の対応が非常に丁寧で、どんな質問にも気軽に相談できる点が助かっています。操作がわからないときの問い合わせだけでなく、「このような選考フローを実現したい」といった相談にも、迅速かつ親切に対応していただけます。最近では、入社前の書類手続きをすべて『i-web』で完結できるようになり、学生にとっても当社にとっても手間が大幅に省けるようになりました。
今後の『i-web』の活用目標を教えてください。
『i-web』には多くの機能が備わっており、私自身まだすべてを使いこなせていないと感じています。さらに深くシステムを理解し、より効率的な採用活動を目指したいです。特に今後は内定者フォローにおいても『i-web』を活用し、新機能の追加にも期待しています。